─ 73 ─ 社会の構造 水 1  ( 2 単位).対象学部:文系,理,農.担当教員:大森 不二雄 所属部局等:高度教養教育・学生支援機構. 開講セメスター: 2 セメスター.科目ナンバリング:ZBS-SSO801J.使用言語:日本語. 1 .‌授業題目:    社会人になるための社会分析 〜大学生にとって身近な現実から社会の全体構造を解き明かす〜 2 .‌授業の目的と概要:   ・ 大学生は、就活の際に「自己分析」を行うが、「社会分析」の機会はほとんど無い。東北大学の卒業生には、「職業人」として会 社や社会に適応するだけではなく、より良い社会へ変革する志や見識を持った「市民」になることが期待される。おりしも18歳 選挙権が実現し、若者の関心を私生活から公共へと広げることが喫緊の課題となっている。良き「市民」としての社会参加をめ ざす学びは、企業や経済が求める人材として活躍する「職業人」への道にも通じる。   ・ この授業では、社会人=職業人+市民」となる前に、社会について知っておくべきこと、考えておくべきことを学ぶ。学生にとっ て切実な就職問題から、縁遠く感じられる政治・経済の課題に至るまで、大学だからこそ可能な批判的視点や国際比較の観点を 含め、日本社会の特色について分析・考察していく。たとえば、学業そっちのけで就活に奔走する大学生の姿は、「日本の常識」 であるが、「世界の非常識」である。その特殊性は、グローバル化に不適応気味の日本の政策課題にも関連する。学生にとって 身近な現実から社会全体の構造を解き明かしていく。 3 .‌学習の到達目標:   ・ 良き社会人(職業人+市民)をめざす意欲を持ち、大学での社会分析が卒業後にどう活かされるかを自身の言葉で他者に説明で きる。   ・ グローバル化する知識社会において直面する諸課題について、国際的な視点を含む幅広い視野をもって自ら考え続け、他者と語 り合うことができる。   ・ 権威ある他者から正解を求めるのではなく、納得いくまで自分の頭で筋道立てて考えようとする。すなわち、批判的・論理的思 考を心がける態度ができている。   ・ 関連する資料・情報を収集・活用しながら、文章作成及び口頭発表において論拠をもった主張を展開できる。   ・ 他者の発言を傾聴し、吟味しながら、討論に積極的に参加できる。 4 .‌授業の内容・方法と進度予定:    授業の内容〕    第 1 回:ガイダンス    第 2 回:学生の大学教育に対する期待、大学生に対する社会の期待    第 3 回:日本の就活の特異性〜新規学卒者一括採用の光と影〜    第 4 回:非正規雇用〜正規との壁&他の社会問題との関連〜    第 5 回:「ガラパゴス化」する日本    第 6 回:教育改革(大学・大学院改革)    第 7 回:低迷する日本経済    第 8 回:多様性・流動性とイノベーション    第 9 回:日本の人事制度再考〜雇用・経済・社会・教育の課題の統合的理解〜    第10回:財政再建    第11回:超高齢・人口減少社会    第12回:若者と日本の閉塞感    第13回:政治・行政と日本の閉塞感    第14回:口頭発表(学期末レポート要旨発表)    第15回:学期末レポート原稿への相互コメント    授業の方法〕   ・ 事前に教材を読んで短文を提出する予習を課し、予習を授業参加の条件とする。   ・ 授業は、ディスカッションや質疑応答を含む双方向・参加型の授業とし、予習で得た知識を活用して思考を深め、積極的に表現 (発言)することが求められる。   ・ 授業後には、復習として、自らの学習成果を振り返り言葉化する。   ・ 以上のような学生自身による主体的・能動的な学習は、海外の大学では常識であり、国際的に通用する大学教育の姿に近づくよ う努める。   ・ 予習・復習では ISTU(東北大学インターネットスクール)を使用する。 5 .‌成績評価方法:    予習・復習と授業参加[60%]、学期末レポート[40%] 6 .‌教科書および参考書:    各回授業の予習課題文献をそのつど指示     7 .‌関連 URL: 8 .‌授業時間外学習:   ・ 事前に教材を読んで短文を提出する予習を課す。予習を毎回の授業参加の条件とする。   ・ 授業後には、復習として、自らの学習成果を振り返り言葉化する。   ・ 予習・復習では ISTU(東北大学インターネットスクール)を使用する。 9 .‌その他: